ワキガにエタノール?悪化する理由と正しいケア方法

ワキガにエタノール?悪化する理由と正しいケア方法

ワキガは肌の常在菌がアポクリン汗腺の汗を分解するときに発生する臭いです。ワキガを減らすためには汗と菌をブロックすることが必要といわれますので、消毒に使うエタノールもワキガに良いのではないか?と考える人もいるでしょう。

しっかり肌を消毒すれば汗をかいても菌の繁殖は心配ありません。しかしワキガにエタノールを使うのは注意したい点が色々ありますので、失敗しやすい原因や正しいワキガ菌の殺菌方法についてご紹介したいと思います。菌に合わせた対策を行わないとワキガは悪化する可能性があるのでご注意ください。

エタノールの一般的な使い方について

エタノールはアルコールの種類のひとつ、消毒用アルコールといわれることもあります。エタノールの原料はトウモロコシや糖質原料がメインで体には無害。生活のあらゆるシーンで使われていますが、エタノールは大きくわけると2種類あります。

まずは「無水エタノール」と呼ばれるもの、これは濃度が5%以上あり揮発性が高くすぐに乾燥するので除菌目的で使用されています。無水エタノールはパソコンやスマホなどの精密機器の除菌や冷蔵庫の取っ手の除菌などに使うことがあります。無水エタノールは水で薄めると殺菌作用を持つことが特徴です。

もうひとつは「消毒用エタノール」で無水エタノールを80%の濃度に希釈したものです。殺菌力が高いことが特徴で除菌掃除の際に使用されています。使用する際はそのままスプレーして拭くなど掃除のシーンで活躍するアイテム。エタノールはお酒に含まれる成分で度数が高いウォッカなどはエタノールの代用として使用されることもあるほどです。

一般的にエタノールといえば消毒がメインで、水にも油にも溶ける性質があるので化粧品や消臭スプレーなどの商品にも使用されています。エタノールは以下のようなあらゆる使い方ができます。

エタノールの用途

  • 窓ガラス掃除
  • 電子レンジや冷蔵庫内の掃除
  • メイクブラシの掃除
  • バスルームのカビ掃除
  • 壁のいたずら書きや指紋跡を綺麗にする
  • ケガの消毒

ワキガは菌の働きを抑えることが大切

ワキガは菌が繁殖するほど臭いが強くなります。アポクリン汗腺から分泌される汗と皮脂を、菌が分解する時に発生する独特なワキガ臭。ワキガは汗と菌を同時に減らさないと消臭ができない厄介な悩みです。そのためワキガの人は入浴直後からワキガ臭が漂うこともあるのです。

この悩みを改善するために知っておきたいのが皮膚の「常在菌」の存在です。菌といわれるととても悪いものをイメージすると思いますが、皮膚に住んでいる常在菌は肌のバランスを整えるために大切な役割を持つ善玉菌も住んでいます。人体が健康に活動するためには菌の働きは欠かせない大切なもの、普段の生活のなかで人工的に無菌状態を作らない限り私達は菌と一緒に暮らしているのです。

皮膚に住んでいる常在菌は良い菌の働きを活発にするように環境を整える事が大切。身体の部位や健康状態によって菌の数は変わっていますが、多い場所では1平方に10万個以上もの常在菌が住んでいるといわれています。そのなかでも多く存在する皮膚の常在菌についてご紹介しましょう。

アクネ菌

ニキビ原因になる悪い菌という印象を受けるアクネ菌は、ふだんは皮膚を守る大切な働きがあります。しかし食生活やストレスにより毛穴のなかでアクネ菌が過剰に繁殖すると炎症を起こしてしまうものです。

表皮ブドウ球菌

皮脂を分解する働きを持つ表皮ブドウ球菌、アルカリ性を好む病原菌の増殖を予防してくれます。

黄色ブドウ球菌

あちこちに存在する黄色ブドウ球菌は皮膚がアルカリ性に傾いてしまうと増殖します。かすり傷や肌の洗いすぎによりアルカリ性になると黄色ブドウ菌が繁殖して炎症をおこします。

ワキガの消毒にエタノールを使うとどうなる?

ワキに住むあらゆる皮膚の常在菌ですが、ワキガ対策にエタノールが効果を発揮するという話がよく聞かれます。ワキにエタノールを使うとアポクリン汗腺の汗を餌にして増殖する雑菌を90~99%死滅させることが可能です。菌の働きが弱くなるとワキガ臭は軽減するため、エタノールはワキガに効果を発揮するものであるといえるでしょう。

エタノールをワキに塗ると殺菌効果が働き20~30秒ほどで消臭効果が表れます。即効性があるのは殺菌効果が高いサイン。市販の制汗剤よりもワキガに効き目がある点はメリットになるかもしれません。

しかしエタノールをワキガ対策で使用しても効果は一時的で、消臭効果は2~3時間ほど。それ以降は菌が再び増殖を始めるためワキガを根本から改善することはできません。エタノールは種類がいくつかあり、ドラッグストアに行くと商品が色々あります。どうしてもワキガ対策として使う場合は消毒用エタノールで、水とエタノールが8:2で希釈されたものがよいでしょう。

無水エタノールは水が含まれていないもの、通常のエタノールは純度が95%なので消毒効果が弱くなっています。ワキガに使う場合は「消毒用」であることを確認して一時的な対処として使ってください。ドラッグストアやディスカウントショップなど一般的な薬品を扱うところに行けば購入できます。

エタノールが肌に与えるダメージ

ワキガにエタノールは殺菌効果を発揮するので臭い対策が可能です。しかし効果だけでなくそれ以上に意識したいことがエタノールが肌に与えるデメリットについて。主に考えられるエタノールの注意点についてみていきましょう。

肌が乾燥して荒れる

エタノールの効果は一時的なので消臭対策として何度も肌に塗布するとアルコールが蒸発する際に肌の水分も一緒になくなってしまいます。すると乾燥が進み肌環境が荒れてしまいます。乾燥すると皮脂腺の働きが活発になるため、ワキの皮脂量が増えて逆に菌の餌が増えることになってしまいます。

肌に刺激が強い

エタノールは傷口の消毒や掃除などに使うことが一般的で、繰り返し使用するとアルコール成分は肌に負担を与えます。アルコールに過敏な人だとワキにかゆみを伴い赤く腫れてしまうこともあるでしょう。もしエタノールをワキガに使う場合はパッチテストをして刺激を必ずチェックしておくことをオススメします。

使用頻度が多くなる

エタノールのワキガ消臭効果は長くありません。即効性があるためつい何度も使ってしまうことがあると思いますが、使用頻度が増えるごとに肌の状態を悪化させています。皮膚に住む常在菌はエタノールで死滅しても数時間で復活しますので、外出中などその場限りのワキガ対策としては良いのですが、習慣的にエチケットとして使えるものではありません。

ワキガ菌を殺菌する一番効果的な方法

ワキガ原因になるアポクリン汗腺はワキや耳、足、デリケートゾーンに集中しています。これらの場所に増殖しやすいのがコリネバクテリウム属の菌で、汗を菌が分解する際に不快なニオイを放出します。

エクリン汗腺から分泌される水分の多い汗も、時間が経てば皮膚の常在菌の活動により体臭を発生させますので、臭いが強くなるのはどちらも同じメカニズムがあります。しかし皮脂の量や汗の成分、そして繁殖する細菌の種類によって臭いの質が変わってしまうのです。

ワキガ菌を殺菌するためには長期的に使える肌に優しい制汗剤がオススメ。ワキガ菌をターゲットにした殺菌成分や肌に優しい保湿成分などをバランスよく配合しているものは、エタノールよりも安全に長期的に使用できます。

殺菌効果があるものとしてハーブやミョウバン水を使用することもありますが、ワキガ専用クリームなら抑汗効果や殺菌効果、そして保湿効果などもひとつで得られますよ。ワキガ専用クリームのほうがエタノールよりもメリットになるのは次のポイントがあります。

ワキガ専用クリームのメリット

  • 肌に優しい無添加
  • 消臭効果が長時間続く
  • ヒリヒリやかゆみがない
  • 敏感肌でも使用できる
  • デリケートゾーンや足などの敏感なエリアにも使用できる

ワキは刺激を受けやすい部位なのでデリケートに扱うこと

ワキは衣類の摩擦で肌が弱くなりやすい部分です。また女性の場合はムダ毛処理でカミソリや除毛剤を使うことが多く肌が弱い状態です。そんな肌にエタノールを使ってしまうと肌環境がさらに悪化して、肌トラブルになる可能性があります。汗腺、皮脂腺、肌のバリア機能などあらゆる大切な機能を整えるためにも、デリケートにできるワキガ対策がよいでしょう。

ワキガクリームはワキという部位の特徴を考慮して作られたものです。長く使用するとワキガ軽減にもつながりますので、根本から改善したい本気な人にはワキガクリームがオススメ

色々なタイプが販売されていますので、ワキガクリームを購入する際は肌チェックを行い自分に合うタイプを選んでくださいね。美白成分を含んだものやしっとり効果が高いものなど、それぞれのクリームの魅力を比較してみましょう。

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